建築家渡辺武彦の覚書き


by architect-tw
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八本松南の家

 設計事務所の選択について不安を耳にする事があります。それは依頼をしたら「設計者の好きに設計され、建て主の要望など聞き入れてくれそうにない。そして予算もはるかにオーバー気味になるのが一般的だ」など‥。設計を業とする設計者は、良くも悪くも個性的です。住宅を設計する設計者は、組織事務所より圧倒的にアトリエ派の事務所が多くなります。その中で実力を競うためには、多くの勉強や体験学習が必要です。設計競技で対決する事もあります。功をあせって足をふみはずす設計者もいます。メディアにアピールするため、建て主の要望を聞き入れず、モニュメンタルな住宅造りをする設計者もいることでしょう。しかし著名な建築家であろうがなかろうが、やはり設計図や模型が出来上がる時点で、自分の要望にそぐわないものは、はっきりと「NO」を申し出るべきです。その事については、契約書の中に入っていますので、建て主は毅然とした態度で望む事だと思います。一生に一度の買い物で、気に入らない住宅に住まわされる事は、家族にとって取り返しのつかない事になるからです。私達の事務所は、数十年の経歴がありますが、一度もトラブルがなく、今だに良いお付き合いをさせていただいています。住宅造りの大切さを充分知っているからでしょう。
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by architect-tw | 2010-10-27 10:36
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 住宅を建てたいと思う年代は、やはり30~40代くらいが多いと思いますが、結婚している人、あるいは結婚する事を契機に考えたという人々もおられると思います。今や共働きが多く、少子化が進んでいるという事もあり、職場を第一に考えて場所の選定をされるケースが多いと思います。それは何事に於いても便利さが優先しているからなのですが、それで良いのでしょうか。私達は、日本が戦後の経済成長を遂げてきた要因が、利便性の追求からきている事を知っていますし、その結果の現代もよく知っています。親子、親族、友人達とのつながりの希薄さや、考えられない事件が多い事も良く知っています。その根底にあるものの一つに家族の関係があります。家族が一緒に住む住宅は、その関係に大きな影響を与えることも知りました。私達は住環境をしっかり造り上げなければなりません。家であれば良いという事ではなく、場所性については、住宅造りの重要なポイントとなります。そして1戸々がしっかりとした住環境や近隣を意識した環境づくりを考えて住宅をつくる事がこれからとても大切な事になると思います。住宅造りは設計者を選択する事から始まると言っても過言ではありません。建物を造るには資格さえあれば、誰でも造ることは出来ますが、家族の将来を考えて環境づくりを目指している建築家を選択する事が重要です。
                                    ー次回へー
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by architect-tw | 2010-10-26 11:18

住まいづくりの提言 5

072.gif設計料
 建物を建てる時、全てにおいて設計図が必要です。
資格者(建築士)が、建て主の要望(建設資金等も含む)を設計図にまとめるために周辺調査、地盤調査、構造計算、模型作成、官公庁申請等、多くの作業を行います。又設計図通り建設する為に施工業者の選定及び契約の立会い、そして建設中の設計監理を行います。それ等の実務に対する報酬が建築士法 告示(設計及び設計監理料について料率)で決められています。
建物の種類や規模によって料率は違いますが、実態は士法で決められている料率を下回っているのが実状です。

072.gifハウスメーカー(規格住宅会社)、建設会社、設計事務所の設計料
◎ ハウスメーカーは自社の企画住宅に建て主の要望をいかに早くはめ込み、
 まとめるかの作業が主な設計の目的で、一軒でも多くの家数をとる事を求
 められます。建設会社は、建設優先の設計をする事が目的となります。
 両者共、設計に時間を掛ける事を主眼にしていませんので、設計料について
 は、建築士法で決められている設計・設計監理料率通りに計上する事はなく
 項目としては計上されていますが、安価なのが一般的です。
◎ つい先頃までは、ハウスメーカーや建設会社は設計料を取らない事(無料)
 が売りになっていた時期がありました。建設会社は逆に設計料が取れない
 から、設計に時間が掛けられないという事情もありました。
◎ 設計事務所は、設計と設計監理が目的ですので、建築士法 告示 で決め
 られている通り設計・設計監理料を計上します。
 ハウスメーカーや建設会社と根本的な差異は、建て主の要望に答えるため
 多くの打合せや作業(模型等)に時間を掛け、設計図を作成する事です。
 更に設計図通りに施工する建設会社を選択(特命、又は数社の入札より)
 し、設計監理を行います。外構や造園の設計も合わせて行い、住環境
 づくりはもちろんの事、近隣環境も含めた環境計画も意識し、全体を
 まとめること等、仕事の内容は広範に渡ります。
 ハウスメーカーや建設会社と大きく違う所は、建設に当り、全ての面
 で、建て主の代理者となる事です。
 建設会社の選択を行い、契約に立会い建設時には設計図通りに施工
 れるか設計監理を行い完成に導きます。
 完成後のメンテナンスについても、建て主と建設会社の間に立って
 問題を解決していきます。建て主とは長いお付合いになります。

                               -次回へー
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by architect-tw | 2010-10-19 17:08
 例えばハウスメーカー(規格住宅会社)と建設会社、そして設計事務所の比較をしてみますと、
① ハウスメーカーは設計と施工(工事)を一緒に契約します。(契約内容は別)
  規格住宅ですから、建て主の要望を自社規格にいかに合わせるかが、設計
  の主な目的となり、建て主によっては満足度が低くなります。
  又設計者はほとんど営業マン主導です。
  車を売るのと同様にノルマが課せられますので、住宅一戸に多くの時間が
  かけられないのが現状です。 当然設計力が落ちますし、
  規格住宅ですから変形敷地の設計は一番苦手となります。

② 建設会社は、建物を設計図に従って建てることが目的です。
  以前は設計・施工を売りにしている会社が多かったのですが、最近では
  設計と施工は仕事の内容が違いますので、同社内で設計した建物の設計
  監理をするという自己矛盾を抱えています。
  大手建設会社は、設計と施工を分けて独立採算制になっています。
 又利潤を追求しますので、施工し易い設計となりがちで、施主の要望を満足
  させる設計にはなりにくいのが現状だと思います。

③ 設計事務所は建物を設計する事と設計図通り施工する建設会社の選択と
  施工中の設計監理をすることが目的となります。
 組織事務所(大手~中小)とアトリエ事務所がありますが、大手事務所は
  採算性の問題で、住宅設計(特に小規模)には手を出しませんので、依頼時
  の選択が必要です。又 施主の要望を適格に取り入れ、個性的でオーダー
  メイドの住宅造りを目指します。住宅の設計は大変細かく難しいとされ、
  他の建築設計とは分けて考える事が一般的です。
  住宅造りは、建て主にとって一生に一度の事業と言われています。
  住宅建築は、設計者の能力により左右されますので、建て主が設計者を
  選択する努力は欠かせません。  -次回へー
 
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by architect-tw | 2010-10-14 13:36

住まいづくりの提言 3

001.gif  自分の気に入った住宅 
一生に一度かもしれない大きな買い物です。家族が将来に向け成長し、夢が
持てるような家造りが理想的です。
限られた工事予算内で実現するためには担当する設計者の設計能力が、
大きくクローズアップされますので、選択が必要です。

039.gif  少し考えてみませんか 
理想的な住宅を入手するためには、建て主の基本的考え方に依る所が大きい
と思います。マンションとは違い敷地があります。
生活の利便性(例えば職場への交通機関)や、単純に工事予算によって決定
するのではなく、家族が単位となります。
自然との対話が出来る住まいであるべきでしょう。そのためにも
設計者の選択は重要で、急がず設計に時間を充分かける事が理想的です。

072.gif   注文住宅とは 
住宅は建て主の要望(予算を含めて)が適格に生かされた設計と、それを
生かした施工がされてこそ注文住宅です。ここでも設計者の設計能力が重要です。

034.gif   ハウスメーカーの住宅(規格住宅)は 
ハウスメーカーの住宅は、規格化された住宅です。当然 構造、仕上げ、設備
(機器共)共、規格化の中で選択しなければなりません。
全て決まった条件の中で、建て主が選択する事が出来るため、わかり易く、
設計期間、工期も短期間で完成へつながります。但し全てが
規格化されていますので、設計には限界があり、注文住宅には成り得ません。

058.gif  設計とは 
設計という言葉は、多くで使われています。建物を建てるには資格が必要
です。そのために建築士(1,2級)の資格者が、会社や個人設計事務所で、
建築物を建てるため、関係法律や構造計算で建物の強度をチェックし、
設計図を作成します。当然 建て主の要望や総工事費等の検討が前提ですが
それらを統合した作業が設計です。   -次回へー
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by architect-tw | 2010-10-13 14:10
 一般的に家を建てたいと思った時、皆さんはどのような行動を起される
でしょうか? 039.gif
 ① ハウスメーカーの住宅展示場へ足を運び、各メーカーの
   住宅を見学してその中で選択し、予算が合えば決定する。
 ② 建売住宅を現場で見学し、予算が合えば決定する。
 ③ 建設会社(施工)を選択する。
   設計から施工まで一貫している特長を生かしたい。
 ④ 建築設計事務所を選択する。
   建て主の要望を適格に設計図に表現し、建設会社も選択し、設計図通り
   の施工を最後まで監理し、要望の住宅を実現してくれる。


 大別すると、上記4項目の中で選択されると思いますが、圧倒的に多いのが
①番ではないでしょうか。それは、TVコマーシャルや毎日の新聞やチラシなど
により、認知度が高くてわかりやすく一般の人々に浸透しているため、モデル
住宅展示場に行き決めるのが、当然と受け止めているからです。  -次へー
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by architect-tw | 2010-10-08 11:17
最近、他県の親しくしている造園家から電話で、次のような相談を受けました。大手ハウスメーカーに住宅を依頼している施主からそこの造園を頼まれたが、ほとんど庭がなく住宅の敷地に対する配置計画や設計図について、疑問を持ったとのこと。
又現在 施主は設計図に納得出来ず、最終図面に承認印を求められたが、拒否している状況で、全体について意見を聞かせて欲しいとの事でした。
私はもめごとに巻き込まれたくないという思いから、あまり乗り気ではなかったのですが、送信されてきた図面を見てびっくり、その後施主と直接対話し、ここまでの経緯や契約書類等を拝見し、あまりのずさんさに二度びっくり。 005.gif
◎施主との会談、資料調査、施主からの依頼によりハウスメーカーを交えた
会談の結果
 1、設計図が全て揃っていない
 2、見積書の明細書がない
 3、配置図の中で、建物と敷地の関係が民法234条に明らかに抵触している
 4、設計図がそろっていないのに施工契約がおこなわれている
 5、設計図作成に於いて施主からの基本的要望に対して担当者に「不可能」
   と切捨られ、強引で勝手な図面で進められた。しかし施主の要望は
   「全て可能」な内容だった。
 6、設計図に承認印を求められ、納得出来ないので捺印拒否しているにも
   かかわらず、自社製品工場へ発注され、すでに製品が出来上がっている。
 7、同時に施主の知らない間に工程表の提示もなく、基礎工事が完了済み
 8、施主が要望した住宅型式を無視して担当者が場所制を理由に1段上の
   ランクに決めたため、予算がオーバーしている。
 9、ハウスメーカーの設計担当者が営業マンで、設計上の知識が乏しく
   設計力がないために多くの問題を発生させている。
10、設計の基本(配置計画、平面計画)が出来ていない。特に各室の日照
   通風採光等が無視され、玄関・ホール・階段・廊下・2階ホール等
   が延床面積の30%を示している。
11、敷地面積が165㎡(50坪)あるのに、建物周辺のデッドスペースが多く、
   まとまった庭がとれていない等、配置計画に問題あり。
12、建築士法24条の7(重要事項の説明等)に完全に抵触している。
   この法律は施主と設計者とのトラブルを発生させないために
   追加されたもの。まるで無視しているか、知らない状況

ざっと書き出しても上記のような状況下で、施主が担当者を変えるようにメーカー側に要請し、変えてはくれたものの、既に規格住宅製品が出来上がり、基礎工事も終わっているため、施主の要望は一切聞き入れず、あくまでも「契約をし、最終図面も施主がOKを出している」という事を主張し、訴訟でも何でも受けて立ちましょうという大手ハウスメーカーの横暴な態度。ついに施主も怒り、
現在、訴訟準備中。  033.gif  -次に続くー 
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by architect-tw | 2010-10-05 17:53