我が家にやってきた母のミシン‥‥。母がなくなって28年の月日が流れ、昨年このミシンを大切に使ってくれた義姉が急死して後、私のところへやってきました。大学時代、被服学科だったこともあり、このミシンにはとても世話になりました。ハワイにいた父の姉が、戦前か戦後に送ってくれたもので、私の物心ついた頃にはいつも家の中にありました。足踏み式で、今も故障することなく動き、甥の了承を得て私のもとにきました。器用で几帳面だった母が、下着までミシンで縫ってくれていたものでした。立ち姿もスマートで美しく、我が家に大切なものが又ひとつ増えました。 ー渡辺巴ー