住まいづくりの提言 5
2010年 10月 19日

建物を建てる時、全てにおいて設計図が必要です。
資格者(建築士)が、建て主の要望(建設資金等も含む)を設計図にまとめるために周辺調査、地盤調査、構造計算、模型作成、官公庁申請等、多くの作業を行います。又設計図通り建設する為に施工業者の選定及び契約の立会い、そして建設中の設計監理を行います。それ等の実務に対する報酬が建築士法 告示(設計及び設計監理料について料率)で決められています。
建物の種類や規模によって料率は違いますが、実態は士法で決められている料率を下回っているのが実状です。

◎ ハウスメーカーは自社の企画住宅に建て主の要望をいかに早くはめ込み、
まとめるかの作業が主な設計の目的で、一軒でも多くの家数をとる事を求
められます。建設会社は、建設優先の設計をする事が目的となります。
両者共、設計に時間を掛ける事を主眼にしていませんので、設計料について
は、建築士法で決められている設計・設計監理料率通りに計上する事はなく
項目としては計上されていますが、安価なのが一般的です。
◎ つい先頃までは、ハウスメーカーや建設会社は設計料を取らない事(無料)
が売りになっていた時期がありました。建設会社は逆に設計料が取れない
から、設計に時間が掛けられないという事情もありました。
◎ 設計事務所は、設計と設計監理が目的ですので、建築士法 告示 で決め
られている通り設計・設計監理料を計上します。
ハウスメーカーや建設会社と根本的な差異は、建て主の要望に答えるため
多くの打合せや作業(模型等)に時間を掛け、設計図を作成する事です。
更に設計図通りに施工する建設会社を選択(特命、又は数社の入札より)
し、設計監理を行います。外構や造園の設計も合わせて行い、住環境
づくりはもちろんの事、近隣環境も含めた環境計画も意識し、全体を
まとめること等、仕事の内容は広範に渡ります。
ハウスメーカーや建設会社と大きく違う所は、建設に当り、全ての面
で、建て主の代理者となる事です。
建設会社の選択を行い、契約に立会い建設時には設計図通りに施工
れるか設計監理を行い完成に導きます。
完成後のメンテナンスについても、建て主と建設会社の間に立って
問題を解決していきます。建て主とは長いお付合いになります。
-次回へー
by architect-tw
| 2010-10-19 17:08