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建築家渡辺武彦の覚書き


by architect-tw
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住まいづくりの提言 1 「最近あったこと」

最近、他県の親しくしている造園家から電話で、次のような相談を受けました。大手ハウスメーカーに住宅を依頼している施主からそこの造園を頼まれたが、ほとんど庭がなく住宅の敷地に対する配置計画や設計図について、疑問を持ったとのこと。
又現在 施主は設計図に納得出来ず、最終図面に承認印を求められたが、拒否している状況で、全体について意見を聞かせて欲しいとの事でした。
私はもめごとに巻き込まれたくないという思いから、あまり乗り気ではなかったのですが、送信されてきた図面を見てびっくり、その後施主と直接対話し、ここまでの経緯や契約書類等を拝見し、あまりのずさんさに二度びっくり。 005.gif
◎施主との会談、資料調査、施主からの依頼によりハウスメーカーを交えた
会談の結果
 1、設計図が全て揃っていない
 2、見積書の明細書がない
 3、配置図の中で、建物と敷地の関係が民法234条に明らかに抵触している
 4、設計図がそろっていないのに施工契約がおこなわれている
 5、設計図作成に於いて施主からの基本的要望に対して担当者に「不可能」
   と切捨られ、強引で勝手な図面で進められた。しかし施主の要望は
   「全て可能」な内容だった。
 6、設計図に承認印を求められ、納得出来ないので捺印拒否しているにも
   かかわらず、自社製品工場へ発注され、すでに製品が出来上がっている。
 7、同時に施主の知らない間に工程表の提示もなく、基礎工事が完了済み
 8、施主が要望した住宅型式を無視して担当者が場所制を理由に1段上の
   ランクに決めたため、予算がオーバーしている。
 9、ハウスメーカーの設計担当者が営業マンで、設計上の知識が乏しく
   設計力がないために多くの問題を発生させている。
10、設計の基本(配置計画、平面計画)が出来ていない。特に各室の日照
   通風採光等が無視され、玄関・ホール・階段・廊下・2階ホール等
   が延床面積の30%を示している。
11、敷地面積が165㎡(50坪)あるのに、建物周辺のデッドスペースが多く、
   まとまった庭がとれていない等、配置計画に問題あり。
12、建築士法24条の7(重要事項の説明等)に完全に抵触している。
   この法律は施主と設計者とのトラブルを発生させないために
   追加されたもの。まるで無視しているか、知らない状況

ざっと書き出しても上記のような状況下で、施主が担当者を変えるようにメーカー側に要請し、変えてはくれたものの、既に規格住宅製品が出来上がり、基礎工事も終わっているため、施主の要望は一切聞き入れず、あくまでも「契約をし、最終図面も施主がOKを出している」という事を主張し、訴訟でも何でも受けて立ちましょうという大手ハウスメーカーの横暴な態度。ついに施主も怒り、
現在、訴訟準備中。  033.gif  -次に続くー 
by architect-tw | 2010-10-05 17:53